緑内障診療について

当院の緑内障診療の特徴

緑内障の治療で行うことは眼圧を下げることの一点に尽きます

しかし眼圧を下げると一口に言っても、緑内障には様々なタイプがあり、また視野の状態や眼圧など病状は患者さんごとに異なりますので、患者さんの個別の状態に応じた対応が必要になってきます。

眼圧を下げる治療は目薬による治療が基本ですが、緑内障の病型や病状によっては、レーザー治療が極めて効果的な場合や、早めの手術治療が望ましい場合があります。

当院では、目薬の治療のみではなく、レーザー治療、手術治療など大学病院と同等の治療選択が可能です。目薬の治療のみしか行えないと、本来であれば手術を行うべきタイミングに手術を行えず、高度の視野欠損に至ってしまうこともあります。治療のタイミングを失することのないよう、患者様ごとの状態に応じた個別治療を提案し、できる限り視野を維持していくよう努めております。

現在緑内障でお悩みの方や、検診で緑内障の疑いを指摘された方もお気軽にご相談ください。これまでの視野検査のデータをお持ちでない方も、電話でご予約いただけば初診日当日に視野検査が可能です。

1,緑内障とは

緑内障とは、眼に入ってきた光信号を脳に伝える視神経の線維がすり減っていき、視野(見える範囲)が欠けていく病気です。

一度傷んでしまった視野は戻すことができず、進行すると失明に至ります(日本では失明原因の第1位)。そのため、緑内障の治療は、視神経にかかる負担を軽減してなるべく視野の欠けが進行しないように、眼圧を下げる事を行います。

緑内障は自覚症状で気づくことが難しい病気であり、症状が出てきたころには高度に進行していることが少なくありません。

そのため、早期の発見と治療が重要です。

2,緑内障の種類

緑内障は、眼の内圧である眼圧がその人の視神経の耐えうる眼圧より高くなることで発症すると言われています。

眼圧は眼の中の水(房水)の量によって決まります。房水は毛様体で作られ、水晶体の前と瞳孔を通って前房に流れ、前房の隅である隅角から線維柱帯を経てシュレム管に入り、眼の外に出ていきます。眼圧は毛様体で作られる水の量と、シュレム管から出ていく水の量によって決まります。

・原発閉塞隅角緑内障

隅角が狭いことにより、房水の流出が悪くなり眼圧が高くなる緑内障です。白内障が悪化要因になり、白内障手術が極めて有効な病型の緑内障です。

・原発開放隅角緑内障

眼圧が高いものの、隅角が狭いなどの明らかな眼圧が高くなる要因のないタイプの緑内障です。シュレム管の手前にあるメッシュ状の組織である線維柱帯における房水の流出抵抗が高いことが原因と考えられています。

・正常眼圧緑内障

眼圧が低いタイプの緑内障です。視神経の眼圧に対する抵抗力が低いことが要因と考えられています。

・落屑緑内障

水晶体嚢(のう)に落屑物というフケ状物質が生じ、そのフケ状物質が隅角に蓄積して房水の流出が悪化して眼圧が高くなる緑内障です。眼圧の変動が大きく、眼圧上昇の程度が高度で、進行が早いのが特徴です。

・ステロイド緑内障

目薬や飲み薬などでステロイドを使用していると、副作用で線維柱帯の目詰まりを起こしてくることがあります。ステロイドにより線維柱帯が目詰まりすることで眼圧が高くなる緑内障です。

・血管新生緑内障

糖尿病などが原因で、虹彩や隅角に新生血管という異常な血管が生じることで、房水の流出が悪くなり、眼圧が高くなる極めて難治性の緑内障です。

・続発緑内障

ぶどう膜炎(眼の中で炎症を起こす病気)や眼の手術などが原因で、房水の流出が悪くなり眼圧が高くなる緑内障です。

3,緑内障の検査

眼圧検査

眼圧検査は眼の内圧である眼圧を測定する検査です。
緑内障の進行に関わる重要な検査ですが、1日の中でも日内変動がありますので、治療開始前には複数回測定して基準となる眼圧を把握することが大切です。
また、角膜の厚みによって眼圧の値が実際より高く出たり、低く出たりするため、解釈にも注意が必要です(角膜が薄いと実際の眼圧より測定値が低く出ます)。
眼圧測定には接触型と非接触型がありますが、接触型は診察室で行う必要があるために診察に時間がかかり、そのため現在は非接触型眼圧測定が主流になっています。しかし、緑内障診療においてゴールドスタンダードの眼圧検査は診察室で行う接触型眼圧検査です。
当院では、緑内障の経過観察には接触型眼圧検査を行うよう心がけています。また角膜の厚みも測定し、実際の眼圧より測定値が低く出ていないかなども注意しています。

接触型眼圧検査

眼底検査

視神経乳頭を直接観察します。網膜の神経線維が集まって束となり、眼から出ていく部分が視神経乳頭です。緑内障では視神経の中央部のくぼみ(視神経乳頭陥凹)が広く深くなります。

正常な視神経(左眼)
緑内障の視神経(右眼)

光干渉断層計(Optical Coherence Tomography; OCT)

網膜の断層写真を撮影することで、網膜(特に黄斑部)の形態を調べる検査ですが、緑内障でも極めて有用な検査です。
断層写真から網膜神経線維の厚みや、網膜内層の厚みを測定できます。
緑内障では、網膜神経線維層も、網膜内層も薄くなるため、診断に有用な検査です。

視野検査

見える範囲を調べる検査です。
種類としては動的視野検査と静的視野検査があります。
動的視野は全体的な視野を把握可能ですが、以前の検査との比較が難しい検査です。
静的視野検査は調べられる範囲が狭いものの、前回との結果の比較がしやすい検査です。
緑内障では主に静的視野検査を用いて、視野障害が進行しているかを判断します。正確に緑内障の病状を把握するためには、中心30度の範囲の視野を調べるプログラムや、中心10度を重点的に調べるプログラムなど、複数のプログラムで視野検査を行う必要があります。
当院では、緑内障の病状に合わせて複数のプログラムを用いて視野の経過観察を行っており、視野の中で最も重要な中心視野に影響が出ていないか、視野障害が進行していないか、を正確に把握するよう心がけています。

隅角検査

房水の出口である隅角を観察する検査です。診察用の細隙灯顕微鏡を用いて行います。
眼圧が高い場合は、隅角の癒着や色素沈着、新生血管など、房水の出口に物理的な流出阻害の原因がないかどうかをチェックすることが重要です。
緑内障の病型診断や、眼圧が高くなる原因を知るための大切な検査ですが、検査には経験を要し、時間もかかるため眼科医でも苦手な医師が多い検査でもあります。
当院では眼圧が高い患者様に対しては隅角検査もきちんと行い、眼圧が高くなる原因を把握するよう心がけています。

4,緑内障の治療

目薬による治療

眼圧を下げる効果のある目薬を点眼します。具体的には、房水の産生を抑える効果がある薬や、房水の流出を促す効果がある薬を点眼して、眼圧を低下させます。もともと眼圧が高くない人でも、眼圧を下げることによって、病気の進行を抑えることができることが大規模なデータから分かってきています。

レーザー治療

選択的線維柱帯形成術:線維柱帯にレーザーを当てることで房水の流出抵抗を下げる治療です。片眼5分程度で済み、痛みもほとんどありません。原発開放隅角緑内障や落屑緑内障、ステロイド緑内障に効果が高い治療です。時間経過とともに効果が減弱することがありますが、再治療が可能です。

手術治療

緑内障手術は、手術の会得はもちろん、術式の選択にも豊富な経験が必要です。専門的な緑内障診療を行ってきた経験を基に、緑内障のタイプと病状により最適な手術法を選択して参ります。

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診療時間日祝
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コンタクトレンズ処方---
★手術及び特殊検査のみ(一般外来休診)

・初診時のご予約は受け付けておりません。診療時間内にご来院ください。
・コンタクトレンズ処方希望の患者様は診療時間の30分前(午前12:00/午後16:30)までにご来院ください。度数決定、装用練習などが必要となり時間がかかる場合がございます。(予約不要)

事前にご記入いただいた問診票をお持ちいただくと、よりスムーズな診察が可能です。